MSXプログラミングに必要な機材【プログラムの保存編】

MSXプログラミングをセーブできる機器

MSXでプログラムを入力したら、そのプログラムをセーブする機器が必要です。記録媒体としてはカセットテープ、フロッピーディスクがありますが、現状ではメディア、機器ともに入手性が悪く導入のハードルが高くなっています。 WINDOWSなどのパソコンとのデータのやり取りを考慮すれば最後に紹介するROMカートリッジ型のセーブ方式がおすすめです。

カセットテープ

カセットテープを記録媒体とするデータレコーダーが必要です。 またMSXとデータレコーダーを繋ぐCMTケーブルが必要です。 CMTケーブルさえあれば、PCの録音機能やボイスレコーダーなどの録音機器でもセーブができる場合がありますが音量の調整などで試行錯誤が必要です。 CMTケーブルはDIN8ピンコネクタと3.5㎜、2.5㎜ピンジャックから自作することも可能です。

カセットテープへの記録はテープ長の許す限り可能ですが、MSX-BASIC上からテープ内のファイルリストを得るのも容易ではないため、1本のカセットテープの片面に1プログラムとするのが良いでしょう。 10分テープであれば1本のプログラムが収まります。

カセットテープとデータレコーダー

カセットテープにはプログラムを音声データに変換したものが保存(録音)されているので、ICレコーダーなどの録音機器でもプログラムを保存することができます。 ただし、録音レベルや音量、録音形式などの調整が必要です。

フロッピーディスク

FDD(フロッピーディスクドライブ)付きのMSXもしくは外付けのFDDが必要です。 FDDはベルト切れの故障、経年によるヘッド部の故障が起こりえます。 また、フロッピーディスク(特に2DD)自体も入手困難となっております。

フロッピーディスクの特徴はMSX-BASIC上から”FILES”と入力することでディスク内のすべての保存したファイルが確認できます。 ”LOAD”での読み込みもカセットテープより早くなっています。

フロッピーディスク(プログラムの保存用とゲームソフト)

その他

カセットテープもフロッピーディスクも入手性、故障のリスクを考慮すると開発環境としては厳しいものがあります。 また、PCとの連携がしにくく、プログラムコードの管理も難しいです。 その問題を解決するものとして、カートリッジ型のFDDエミュレータとRAMを紹介します。

カートリッジ型のFDDエミュレータは8bits4ever EMU FDCが有名です。 ROMカートリッジ型でマイクロSD内に複数のディスクファイル(DSK形式)を保存できます。 ボタンでディスクの入れかえもでき、小型モニターにディスクのファイル名も表示されます。 FDDが内蔵されていない機種であればAドライブとして認識され市販ゲームのセーブデータの保存もできます。 マイクロSDカードを通じてWINDOWSなどのパソコンとのデータのやり取りができます。 海外サイトの8bits4ever.netより購入できます。

EMUFDC

EMUFDCが取り扱うことができるデータはフロッピーディスクイメージ dskファイルですので、プログラムを保存するためにも、空のフロッピーディスクイメージを用意する必要があります。 ここでは【MSXプログラミングで必要なゲーム開発環境【エミュレータ後編】】でも紹介したMSX Floppy Disk Managerを使います。

【ファイル】-【新規仮想ディスク作成】‐【MSX-DOS1形式】を選ぶと空のフロッピーディスクイメージが作成されます。 これをSDカードに保存してEMUFDCに挿入すると、仮想フロッピーディスクドライブにディスクイメージが挿入された状態になります。 その後は実際のフロッピーディスクと同じようにふるまうので、【SAVE】や【LOAD】、【FILES】などのコマンドで操作ができます。

 

もう一つはカートリッジ型のRAMです。SD512やCARNIVORE2などの機器があります。 どちらもROMスロットに差し込むことでプログラムをセーブする装置として利用できます。Aドライブとして利用できますが、市販ゲームのセーブデータは保存できないため、MSXからはFDDとは別ものとして認識されているようです。 こちらも、SDカードやコンパクトフラッシュを通じてWINDOWSなどのパソコンとのデータのやり取りができます。海外サイトの8bits4ever.netより購入できます。

左からSD512、CARNIVORE2

コチラの2機種はプログラムをフロッピーディスクイメージにする必要はなく、そのままA:直下に保存していくことになります。 SDカードやコンパクトフラッシュはそのままPCで読み込めるので編集も容易です。

まとめ

今回はプログラムの保存方法についてご紹介しました。 実機環境でプログラミングをするにあたって何らかの保存方法が必要となります。 保存メディアの入手性も良くない現状からするとカートリッジ型のフロッピーエミュレータEMU FDCが一番おすすめですが、8bits4ever.comでも品切れが続いているようです。 円安ユーロ高であり決して安くない品物ですが、利便性は一番ですので、その価格を払う価値はあると思われます。